別府で大友良英さんのライブを観た

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    2015.9.5
    別府で開催中の芸術祭、「混浴温泉世界」のプログラムのひとつ
    大友良英withフライング・オーケストラのライブを観てきた。
    会場はトキハデパート屋上。

    しかし生憎の雨模様。
    開演ギリギリに行くと、ようやく開場したところでした。

    雨のため会場は屋上のひとつしたの階の駐車場に変更。
    集まった男女様々なお客さんたち、
    特に音響設備もなさそうなだだっ広い立体駐車場に通されて、
    みんな所在無さげ、だけどなにかがはじまる予感で
    一種の緊張感みたいなものも生まれていた。

    照明は消されて、日没の時間帯の駐車場は非日常の空間になり、すでにライブがはじまっていることを感じた。

    スタッフの方が開演が遅れたことに対するお詫びと、好きなところで聴いてくださいという説明があってしばらくして、誰からともなく音がなり始めた。

    ぼくらは大友さんの経歴についても、この中の誰が大友さんなのかも知らずにやって来た。
    たぶん感動するんじゃないかと思って。

    駐車場は管楽器の音がよく響いた。
    演奏する人は全部で何人いたんだろう。
    サックスやトロンボーン、チューバ、鍵盤ハーモニカ、
    ファゴットみたいなみなれない楽器もたくさん。

    それらが何かひとつの約束だけで、
    それ以外はすべて自由
    というような印象で
    うろうろ歩き回ったり、
    立ち止まったりしながら
    音を出していた。

    あまり演奏している
    というふうではなくて
    たとえばそれぞれの楽器を使って、
    自由にジャングルの音を表現してみる
    というワークショップのような雰囲気。

    でもジャングルというよりは
    日本の古い因習の残る村の祭り
    というイメージ。

    ふと気がつくと横で楽器を吹いている人がいたりして
    うっかりゾンビに遭遇してしまったらこんなふうに驚くのかもしれないな。

    こういう場所では普通のライブより観る側の姿勢も問われる。
    きっとあの場所にいた人、みんなそれぞれ違う体験をしたはずで
    それは一体感がないという意味とは逆で、みんながこのライブのためにそれぞれの役割をもってそこにいたような感じ。
    座って観る人、うろうろする人、街を眺めている人、
    様々だけど肩幅くらいに足を開いて真正面を向いて(どこが正面なのかわからないけど)きりっと立っていた女の人が印象的だった。

    そのうちこれはなんだろう?という音がなりだして、
    それは加工されたエレキギターの音だったんだけど
    たぶんそれを鳴らしていた人が大友さんで
    演奏はだんだん映画音楽みたいになっていく。
    古いモノクロの日本映画。
    むしろお客さんも演奏者もみんな映画の中に入ってしまったような感じ。

    どこからともなく提灯を下げた人たちの行列が登場。
    とてもゆっくり、薄暗い駐車場を余計暗く感じさせるような足どりで歩いていくと、ますます映画っぽい。

    でもその映画は特別わかりやすいクライマックスがあるようなものではなくて、そのまま淡々と続いていく。
    どのくらいの時間がたった頃か。雨が上がり始めた屋上にみんなが誘導された。

    薄く霧がかったような屋上は駐車場よりまだ明るいくらいで、すこしほっとした。
    楽器の鳴り方も全然違う。素の音になったようだった。
    これは天候のためにやむなく起こった出来事だったけど、
    ぼくにとってははじめから屋上でやるよりおもしろいと思われた。
    しばらくして突然、青い連凧が現れた。舞い上がった、というより必死に走って引いて飛ばせていた。この瞬間が一番ぐっと来た。
    そしてその凧を引いている一郎さんをじんたが全力で追いかけているのを観た瞬間が一番おもしろかった。。。

    やがて音が静まりだして、終わりを予感させると
    このライブは音がやむ瞬間が一番の山場なのかもしれないなと
    感じた。

    そして音がやんだ。


    大友さんが挨拶して、大きな長い拍手が起こった。
    時間がある人はしばらく静けさをたのしんでください、と大友さん。

    みんな胸になにかあたたかいものを抱えて帰っていった気がする。
    ぼくらはライブで偶然、奈良の井上けんご夫妻に遭遇して、少し話して、あしたも会う約束をして家に帰った。


    この体験で感じたことは、ライブが持っている可能性の大きさ。
    それとぼくはロックが好きだ、ということだった。


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