【もう一度僕たちは思い出す マーガレットズロース『NANANA』誕生秘話 その8】

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    最終回「NANANA」セルフライナーノーツ
    ヒライマサヤの主観で勝手に全曲解説!!

    1.「バンドパワー」
    アルバム一曲目を飾るこの曲を、すべてのバンドマンとバンドマンじゃない人に捧げたい。
    「バンド」という繋がりが生み出す奇跡みたいな出来事を感じたことがある人にも、ない人にも。「バンド」のせいですべてが台無しになってしまうかもしれないし、すべてが帳消しになるかもしれない。バンドなんかやっていなければ、ぼくも岡野も粕谷も全然違う人生だったはず。金持ちになってたかもしれない。だけど全然、これ以外興味がわかないよ。
    プロデューサーのももちゃんから収録曲についてこんなリクエストが。
    「どん底、斜陽にかわるズロースを象徴する曲。今のバンドの状態や環境をズバッと一言で表すタイトルで。」
    それで27年続いてきたバンドの今を歌にしようとしたのに、気がついたら組んだばっかりのバンドみたいな歌になっていた。だけど「バンドパワー 」という言葉は発明だ。意味もなく声に出したくなるじゃないか!そう思って意気揚々とバンドでスタジオに入ったら、「ハンドパワーみたい」と笑われてがっかりした笑
    リフのアルペジオ、こんなに単純なフレーズだけど、何かに似てるとか似てないとか考えもせずぼくらの発見にした。そして一番大事な歌詞はみんなで「ナナナ」って歌うところだと思ってます。
    キーボードで中村圭作さんが参加してくれてます。最後のちょっとだけだけど、かなりバンドパワー 出てるので注目!


    2.「瞬キッズ」
    ミュージックビデオにもなったアルバムのリード曲。「またたきっず」と読みます。
    「夜空を見上げて、遥か遠くの星をのぞいたら、まだこの星に生まれて来る前のきみがいた。
    だけどそれは空想じゃない。本当にこの宇宙ではあらゆる時間が同時に存在していて、時間は過去から現在にではなく、未来から降り注いでいるって知っている。
    ぼくらはこの宇宙の瞬き、瞬キッズなんだって。そんなこと信じられる?
    ぼくの頭がおかしくなったというなら、どうしてぼくらは死んでしまうんだと思う?
    だってぼくらは遊びに来たんだから、おしまいがなければ飽きてしまうからね。」
    そんなことが、ロックンロールになった曲。
    モリちゃんとはなえもんと3人でやっていた「プリーズ!」というバンドで生まれたけど、そのバンドはなくなってしまった。いろんなことは不思議な糸で繋がっている。
    MVでは20年くらい前のライブ映像と、現在のレコーディング風景が交差する。
    この曲だけ、ギターアンプはJC120を使用。なにしろJCのコーラスが一番星の瞬きみたいな音をしていますから。


    3.「往復書簡」
    常盤ゆうのソロアルバム「風のガーランド」(2021 redrec/sputniklab)のために楽曲提供した、ヒライマサヤ作の曲をセルフカバー。常盤さんはマーガレットズロースを結成した早稲田大学の音楽サークル、MMTの1学年上の先輩。ヒライとは誕生日が1日違いで、毎年6月のお互いの誕生日にメールを交換するのがいつからか恒例になっている。
    2002年頃のマーガレットズロースの演奏をイメージして書いたわりに、ももちゃんからは
    「常盤さんバージョンの方がズロース感がある」と言われていましたが、実際どうでしょう?
    ぜひ常盤さんのバージョンと聴き比べてみてください!
    常盤さんのバックでマーガレットズロースが演奏するのが一番しっくりくるのかもしれない。
    圭作さんのオルガンがかなりいい効果を生んでいます。


    4.「つづきはぼくらが」
    2007年に自主制作したソロライブ音源「平井正也、おおいにうたうCD-Rvol.1」で渡辺勝さんとの演奏が収録されているが、マーガレットズロースでは演奏したことがなかった。当時、新曲はまずスタジオで弾き語りしていた。ずっと同じコード進行だから退屈でボツになったんだと思う。
    2007年といえば「ぼーっとして夕暮れ」がリリースされた年で、フィッシュマンズの影響が一番濃かった時期。人が何かをやり遂げて一生を終えるなんてことはほとんどないはずで、つづきを待ってるかけらが、そこら中にちらばっているように見えた。
    「石ころ」というワードは「バンドパワー 」にも出てくる、このアルバムのひとつの鍵かもしれない。
    ぼくも長らく忘れていた曲だったけど、いまではパソコンでバンドアレンジをして聴かせられるようになり、16年の年月を経てようやく理解されて、収録されることに。
    夏目くんのダブミックス、圭作さんのキーボードアレンジも光っています。


    5.「つばき」
    アルバムの中で一番新しい曲。ももちゃんから、アルバムは新曲と過去の未登録の楽曲と半々という意見が出ていたが、できるだけ新曲でやらないと、アルバムを作る意味がないと思っていた。だけど曲が足りない、急いで作らなければ。それで最近発見した「散歩作曲法」を実践して作った。言葉やメロディーが浮かぶまで、ただ歩くというシンプルな手法だ。
    特別うたいたいことがあるわけじゃなくたって、ただ見えるものをうたえばいいじゃないか。
    まるで「バンドパワー 」の歌詞そのままだけど、同じ道でもなにを見ているかは人それぞれだし、いろんなものが見える中でなにを「うたわない」かということも重要になって来る。
    「いぬのくそ 洗濯物 カラスの羽」「庭先の金柑の実 ゴミ屋敷」シンプルにいえば美醜のコントラストで浮き彫りになる日常を、サウンド面でもアコースティックギターとファズギターで表現した。(ドレスコーズ志磨遼平さんのアコギをお借りしました。東京くんと名付けられたギブソンのギター、ありがとうございました!)
    地味な曲だし、レコ発ライブでははずされそうになったけど、ここでやらないと、今後やる機会はなさそうだと思い披露。意外にも評判がよかった。


    6.「働く人」
    二日間のレコーディングで最初に録った。ギター、ベース、ドラムだけで、ダビングがなく、ギターソロもない。バリエーションに富んだ楽曲の中で、真ん中に位置していそうな曲だったから、今回のサウンドを決めるのにぴったりだったのだ。何度かライブでやっていたけど、レコーディングして初めて岡野がすごく変なプレイしていることに気がついた。さすがです。
    後半、ちょっとだけタンバリンが入ってますが、ビートルズの「ドライブ・マイ・カー」みたいで気に入ってます。2022年の1月作曲。「探していたものは 恋じゃなかったから」という部分は、このアルバムの重要な宣言文。


    7.「コントローラー」
    平井正也BANDのアルバム「届く光」(2017年 nëlcö records)に収録されているが、時々マーガレットズロースでも演奏していたロックナンバー。映画「アリ地獄天国」(土屋トカチ監督)の主題歌として、平井正也BANDのバージョンではなく、より荒々しいマーガレットズロースのライブテイクが採用されている。今回のレコーディングでも、ほとんどライブレコーディングと変わらない方法で、クリックを使わずに一発録音された。
    脱退したギター、熱海裕司が弾いていたフレーズを、ほぼそのままヒライが弾いている。
    岡野がなかなか貸してくれないビンテージのレスポール、今回のレコーディングで活躍しました。ありがとう!
    レコーディングして初めて気がついたシリーズ。この曲のサビのバスドラム、微妙なところに入ってるけど、間違ってるわけじゃないと思う。たぶん。
    「つばき」「働く人」「コントローラー」の流れがかなり気に入っています。


    8.「呑気だね」
    今回の収録曲の中で一番古い曲。おそらく1999年か2000年の作。4thアルバム「ネオンホール」のインストアライブ用特典音源に収録されている。呑気な歌詞だが、実は大学卒業を控えて、就職活動もせず、バンドを続ける決意がうたわれている。事あるごとに岡野がフェイバリットに挙げているので、モチベーションを上げる目的でももちゃんが推した。
    岡野のレスポールを借りてヒライなりのニール・ヤング節を炸裂させました。
    「つばき」と並びアルバムのフォーク・ロック色を象徴する曲だが、残念ながらレコ発ライブではこの曲だけ演奏されなかった。


    9.「歌にしようと思った」
    「つばき」と同時期に作曲。この曲でも「ナナナ」が大事な歌詞になっている。「ラララ」でも「パパパ」でも「ダダダ」でもなく「ナナナ」。もしも歌になるなら「ナナナ」がいいな。
    スタジオで3人で完成させたかったが、満足にアレンジする時間もなくレコーディング。
    レコ発ライブではすでにちょっとアレンジが変わっていたけど、初々しいアルバムのテイクもそれはそれで良いと思う。まだ観ていないサニーデイ・サービスの映画で曽我部さんが「昔はライブでもレコーディングと同じ演奏を目指していたけど、いまはそれだけが正解じゃないと思う」みたいなことを話していたと、人から聞いたし。すいません、ぼくも観に行きます。
    これからライブでもっと良くなっていったり、長くなったりしそうな予感。


    10.「午前中ずっと寝てたから」
    2022年のバースデーライブで初披露した曲。年齢を重ねて、いままでみたいにできなくなることもあるけど、やれるやりかたでやりつづけるしかないよねって開き直れば、それはそれでごきげんなロックンロールですよね。
    ボツになりそうな気配もあったけど、圭作さんの軽快なロックンロール・ピアノのおかげで生まれ変わりました。「食べよう 眠ろう 愛し合おう」という歌詞は、先日のヒライマサヤ個展のタイトルにもなりました。
    ラスト2曲の曲順は絶対これがいい!と主張した、大事な流れです。


    11.ずっとこうしてるだけで(猫と日常)
    2022年2月、秋葉原クラブグッドマン。熱海くん脱退後最初のライブで初披露した曲。
    まだ熱海くんが入る前の、2003年くらいのマーガレットズロースが演奏してそう。
    2020年、ステイホームの真っ最中に我が家に猫がやって来た。まさかうちに猫がいるなんて。いまでもたまにまだ信じられないくらい、しあわせすぎる。けれどしあわせだなーと思うと同時に、少しだけ、永遠には続かないとも感じている。
    途中でベースが大きくなるような気がしますが、岡野のベースはあるポジションで非常に元気に鳴るので気のせいじゃありません。この隙間の感じはマーガレットズロースならではだよな〜
    (猫と日常)というサブタイトルは、「猫という単語があるかないかで再生回数が全然違うから!」と岡野が力説するので付け足しました。
    この曲が終わって、アルバムが終わる感じがたまらなく好きです。
    みなさん、どうか42分間。マーガレットズロース「NANANA」とお付き合いください。
    きっともう一回、さらにもう一回、再生してしまうような素晴らしいアルバムですから。
    _________________

    というわけで、めでたく本日「NANANA」発売されました!
    勝手に書いてた誕生秘話の連載もこれでおしまい。
    いやあ、長い道のりでした〜

    これからNANANAレコ発ソロツアー「歌になろうと思った」がはじまります。
    みなさんに直接「NANANA」を届けられるのをたのしみにしていますー!

    マーガレットズロース 「NANANA」
    今日から各種配信サービスもスタート!
    ナナ何度も聴いてくださいー👂彡👂彡👂彡
    https://linkco.re/P9RQfEmh

    瞬キッズMVはこちら!
    https://www.youtube.com/watch?v=trP1lBiHQ94


    【もう一度僕たちは思い出す マーガレットズロース『NANANA』誕生秘話 その7】 〜番外編 ナナナンパーティーライブレポート〜

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      8月です。
      ゆっくりお礼を言いたいと思っていたら、マーガレットズロースのレコ発パーティーから、もう10日も経ってしまいました。
      出演してくれた片平里菜さん、えーるず、20周年を迎えるレッドクロス、ご来場のみなさま、本当にありがとうございました!
      いろんな忘れられないライブがあるけど、あの日のライブはとても幸福な記憶として残っていく気がします。
      今まではライブの後お客さんに感想をもらっても、こんなもんじゃないって感覚がずっとあったけど、あの日は、集まってくれた人と同じ時間を共有できたことがうれしくて、みんなで一緒に作った夜に、おめでとうありがとうの夜でした。


      えーるずはドラムのふゆちゃん加入で、さらにカラフルに、パワフルになったと感じました。これからどんどんいいバンドになっていくイメージがバーンと脳内に溢れました。かっこいい演奏でロックバンドのレコ発らしい空気にしてくれてありがとう!

      里菜ちゃんは、いつもの自然体なんだけど、出会ってから今までの思い出を辿りながら気持ちを込めてうたっているのが伝わってきて、本当に素晴らしかった。
      懐かしい曲もたくさん聴くことができて、当時の曲の完成度の高さにあらためて驚いたり。記憶が蘇るのと、未来のビジョンが浮かぶのって似ているなあと思ったりして、胸が高鳴りました。

      マーガレットズロースは、実は直前の楽屋でもまだセットリストが決まっていませんでした。
      どのくらい新しいアルバムからの曲でライブを構成するか、過去の曲をやるなら何をやるのか。NANANAからの楽曲をメインでやることはリハーサルで決めていましたが、直前でやっぱり新曲をやりたいのは自己満足なのか?と思いはじめたりして。
      昔だったらメンバーに相談せずいきなり予定にない曲をやったりしたこともあったけど、ギリギリまでみんなで考えて決めました。
      そうできて、本当に良かった。
      =============
      2023.7.22新宿レッドクロス
      マーガレットズロースニューアルバム“NANANA”レコ発「ナナナンパーティー!」
      セットリスト

      1.歌にしようと思った
      2.午前中ずっと寝てたから
      3.往復書簡
      4.働く人
      5.つばき
      6.つづきはぼくらが
      7.紅茶の歌
      8.瞬キッズ
      9.バンドパワー
      10.コントローラー
      11.マーガレットズロースのロックンロール

      e.c
      1.斜陽
      2.ずっとこうしてるだけで(猫と日常)

      セッション
      1.Come Back Home
      2.どん底
      =============
      本編は「紅茶の歌」「マーガレットズロースのロックンロール」以外は「NANANA」から。
      中でも「歌にしようと思った」「つばき」の2曲はライブで初披露。
      お客さんが聴いたことない曲からレコ発ライブがはじまるっていうのがドキドキで、いきなりスイッチが入った感じでした。
      レコーディングのエンジニアをしてくれた夏目くんがPAをしてくれたこともあって、音のことは何にも心配しなくて良かったし、音が良かったという感想も多くてうれしかったな。
      そしてライブの印象を決定づけたのは、ぼくらの「NANANA」に対する愛情だったと思います。
      「こんなアルバムができました」という気持ちが、隅々まで詰まって、まるでいまこの瞬間にレコーディングしているみたいでした。レコーディングした場所もレッドクロスだったわけで。

      アンコールはいままで数え切れないほど演奏してきた「斜陽」。今までの緊張感が昇華されて光に包まれたような感覚。最後はアルバム最後の曲「ずっとこうしてるだけで」で空気をレコ発に戻した後、セッションに突入!
      里菜ちゃんとえーるずのみんなで「Come Back Home」「どん底」。
      ちょっと24時間テレビのエンディングみたいなお祭り感とフィナーレ感。めちゃくちゃたのしかったー!
      CDもたくさんの人に買っていただきました。メンバー3人であんなにたくさんサイン書かせてもらったの久しぶりだったな。買ってくれたみなさん、ありがとうございました!家でも「NANANA」たくさん聴いてくださいー!

      そしてそして。明日8月2日は「NANANA」の発売日です!!
      店頭には今日から並んでいるのかしら?
      予約してくれた人にはいつ頃届くのかな?
      各種配信サービスでも明日から聴ける予定。
      一番推奨するのはCDを買って、サブスクでもたくさん聴くことです♨️

      でも個人的には最近はCDで音楽を聴くのがめちゃくちゃたのしくて、昔ずっと聴いてたCDのケースを宝箱を開けるようにして聴いてます。再生するとケースの中で止まっていた時間がとけて流れ出します。記憶も、空気も、匂いまで蘇ったりします。
      そんなふうに感じるには、一時期そればっかり聴いていたからで、どんなCDでもそんなことが起きるわけじゃないけど、「NANANA」は誰かにとってそんな作品になったらいいなーと思っています。

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      マーガレットズロース 10thアルバム「NANANA」
      収録曲
      1.バンドパワー
      2.瞬キッズ
      3.往復書簡
      4.つづきはぼくらが
      5.つばき
      6.働く人
      7.コントローラー
      8.呑気だね
      9.歌にしようと思った
      10.午前中ずっと寝てたから
      11.ずっとこうしてるだけで(猫と日常)

      レーベル:redrec / sputniklab inc.
      定価¥3,300(税抜き価格¥3,000)
      品番:RCSP-0137
      タワーレコード予約
      https://tower.jp/item/5751109/NANANA
      Amzon
      https://www.amazon.co.jp/NANANA-%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%AC%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%BA%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%B9/dp/B0C7K2JHJP/ref=sr_1_7?crid=2ZPFNQUPIQW51&keywords=red%20red&qid=1686715828&s=music&sprefix=%2Cpopular%2C562&sr=1-7&fbclid=IwAR1Crnm6LH--a9VlHU69S-8BO_Zl3HZU5mtzjO4pz5xBtiWDbwuKcjaqbqQ


      【もう一度僕たちは思い出す マーガレットズロース『NANANA』誕生秘話 その5】

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        【もう一度僕たちは思い出す マーガレットズロース『NANANA』誕生秘話 その5】

        今週土曜日、7月22日はいよいよレコ発ライブです。
        シンガーソングライター・片平里菜との2マンライブを意外と思う人もいるかもしれません。
        今回は里菜ちゃんとの出会から今までのエピソードを。

        最初の出会いは2011年3月、
        福島県郡山市のライブハウス、クラブ#9でした。
        マーガレットズロースはアルバム「darling」をリリースした後、バンドでのツアーが難しい状況になり、ぼくはソロで、まだ高校を卒業したばかりだった里菜ちゃんと共演しました。
        「どん底」を聴いてぼろ泣したと、里菜ちゃんから直接聞くのは、その直後に起きた東日本大震災を経て、2年後のことでした。

        「閃光ライオット2011」で審査員特別賞を受賞してメジャーデビューを控えた2013年、里菜ちゃんの「飾らない笑顔で 弾き語りツアー2013」で、ぼくは熊本、福岡、山口、広島、米子の5ヶ所を一緒に回ることに。
        デビューして自由に動けなくなる前に、ひとりで全国を回りたかったという里菜ちゃんから、ぼくにも声がかかったのでした。

        初日は熊本県南関町「しそにぬ」にて。ぼくとユミコがやっていた、雑貨屋の皮をかぶったおかしな店です。
        ライブはほこりっぽい工場の一角、投光器の素朴な灯の元で。

        田舎の町のおじいちゃんおばあちゃん、お母さんたち、走り回るこどもたちに囲まれてうたう里菜ちゃんが、きらきらまぶしく見えたのを覚えています。

        その当時、ぼくと里菜ちゃんの音楽活動のスタンスは、全く違っていました。これからメジャーデビューして華々しく活躍していくだろう里菜ちゃんと、バンドメンバーと遠距離になって、田舎で店をやりながら好きなことだけやってなんとか生きていこうとしていたぼく。
        だけど、里菜ちゃんはその時から既にいろんなことを自分と無関係とは考えない人で、いろんな世界を自分の目で見て、自分の足で立とうとしていました。もしもいつかひとりになった時に「こんなやり方もあるんだ」っていうのを体験していたら何かの役にたつんじゃないかと、精一杯作った旅でした。

        あれから10年。いまは事務所から独立して自分の足で活動している里菜ちゃんとマーガレットズロースがツーマンライブをするというのは、ぼくにとってはついに現実になった胸を打つような出来事なんです。

        この10年の間にもいろんな場面で共演させていただきましたが、その度、どんどん凄みを増していく音楽と、変わらない人柄にいつも感銘を受けています。
        里菜ちゃんからは、歌でこの世界の様々な問題に関わっていくんだという強い意志を感じます。
        それは物販に並ぶグッズを見てもわかることで、「たくさん作って、たくさん売る」とは反対の、「良いものを、少なくてもいいからできるだけ」という思想・経済が働いているみたいです。

        だから女の子切ない恋の歌でも油断するとぐさりと胸を刺されてしまうような、リアリズムが里菜ちゃんの歌にはあります。
        透明感と存在感が同居する声も魅力的だけど、歌詞が本当に素晴らしいです。そして、表現力。

        20周年を迎える新宿レッドクロスをお祝いするのにこれ以上ない夜になると思います。


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        ■7月 22日 (土曜日)
        新宿 レッドクロス
        マーガレットズロースニューアルバム“NANANA”レコ発「ナナナンパーティー!」
        出演:マーガレットズロース、片平里菜
        O.A:えーるず
        時間:オープン18:00/スタート18:30
        料金:前売3,500 当日4,000円


        マーガレットズロース 10thアルバム
        「NANANA」
        予約・詳細




        【もう一度僕たちは思い出す マーガレットズロース『NANANA』誕生秘話 その4】

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          「ぼくら長いことバンドやってるけど、メンバーと遠距離になってからの10数年の活動って、バンドやってますって胸張って言えるようなものだったのかな。」
          普段離れて暮らしていて、たまに集まってお客さんの前で演奏することに、なにか後ろめたさのようなものを感じることが、たまにありました。

          去年の10月、僕のレテパシーズの古宮大志と高円寺でランチしたときのこと。
          「ヒライさん、よく一回しかスタジオ入ってないとか、いついつぶりに会ったとかライブで言うけど、言わなきゃ全然わからないしかっこいいことやってるんだから堂々とやればいいよ」
          長いこと励まし続けてきた気がするひろしに、そんなこと言われて励まされてしまいました。

          どれだけ練習したとか、普段どこで何しているとか、そんなこと関係ない。言い訳にもならない。
          昔はちょっとでもよくなる可能性があるならなんでもやってみたけど、それをやれないからってさぼっているわけじゃない。
          メンバーみんなそれぞれの生活に忙しいけど、今のぼくらにしか出せない音もある。
          ひろしのおかげでアルバム制作に向けて吹っ切れた気がします。

          それにしたって、みんな忙しかった。
          2023年3月。ぼくはツアーの合間を、岡野と粕谷は仕事の合間をぬって、新曲をアレンジするためにやっととった2時間のスタジオ。
          そんなわずかな時間さえ、仕事が押して時間通りに集まれない。
          やっと集まって残り1時間しかない状況で、あらかじめ送っていたデモ音源を聴くところからはじまったりして。
          レコーディング直前のリハーサルはそんなふうに終わってしまいました。

          まあなんとかなるっしょ、という粕谷。
          あの時は正直、今はレコーディングするタイミングじゃないのかな?って腐りかけました。
          ももちゃんにはやっぱり無理です、ごめんなさいって言って、延期させてもらおうかと。
          だけど、冷静に考えたらぼくがそんなこと絶対言っちゃいけない。
          ぼくが新しいアルバム作ろうと言い出して、みんな文句言わずにここまで来てくれたのに。
          「やってもらってる」なんて言い方はかっこ悪いけど、みんなのモチベーションに合わせてやっていたら何も生まれないところから、何か生み出そうとしているのだ。
          押したり、引いたり、近づいたり、離れたり、絶妙なバランスを保ちつつ、停止しないで進もうとしているのだ。
          岡野も粕谷もやめようって言ってないのに、ぼくが言っちゃだめだろ。
          他の誰にも真似できない3人でレコーディングできるだけで最高すぎることなんだから。

          そんなふうに考え方を切り替えられたのは、ある方がいてくれたおかげでした。オミさん真菜美さんご夫妻。オミさんはぼくの遠い親戚で、「音酔」というバンドのリーダーでもあります。
          東京でライブの時はいつもオミさんの家にお世話になっていて、その日のリハーサルの後もオミさんちに帰って一杯飲みながらグチを聞いてもらっていました。もし誰にも話せずにひとりで悶々と出来事を振り返っていたら、最悪レコーディングやめちゃってたかもしれません。
          オミさん、真菜美さん、この場を借りてお礼申し上げます。
          おふたりのおかげです。本当にありがとうございました!
          (スペシャルサンクスにもお名前載せさせていただきました)

          それにしてもすごいなーと思うのは、遅れてきてスタジオに入ってから音源を聴く粕谷の落ち着き。
          聴いてこいよ、とついついこぼしたぼくに、「そんなことよりお前のギターの音色はできてるのか」と言い返す余裕。
          確かに、レコーディングで散々音作りに時間かけた挙句、違うアンプに変えたりとか、いままでありました。(全部試してから決めたい性格)
          粕谷も岡野も、かなり変だと思うけど、ぼくの性格のせいで迷惑かけたこともたくさんあったはず。なんやかんやうまいことバランス取れてるバンドなんだと思います。本当、いままでありがとう。

          そうしてライブとリハーサルの過酷な2週間のツアーのラスト2日間で、レコーディングは敢行されました。
          場所は新宿レッドクロス。
          ステージにドラムセット、楽屋にギターアンプ、喫煙ルームにベースアンプを入れての一発録り。エンジニアはいつもライブでもお世話になっている夏目創太くん。ももちゃんもレコーディング中ずっといてくれて、いつもの感じでリラックスして演奏できました。

          しかし本番も本番で、渋滞やら身内のトラブルやらで5時間遅れてはじまったり。順調ではなかったけど、二日間でぎりぎり11曲のベーシックと歌を録り終えることができたのです。
          本当によくやったなぁ〜!
          (つづく)

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          マーガレットズロース 10thアルバム「NANANA」
          収録曲
          1.バンドパワー
          2.瞬キッズ
          3.往復書簡
          4.つづきはぼくらが
          5.つばき
          6.働く人
          7.コントローラー
          8.呑気だね
          9.歌にしようと思った
          10.午前中ずっと寝てたから
          11.ずっとこうしてるだけで(猫と日常)
          レーベル:redrec / sputniklab inc.
          定価¥3,300(税抜き価格¥3,000)
          品番:RCSP-0137
          タワーレコード予約
          https://tower.jp/item/5751109/NANANA
          Amzon
          https://www.amazon.co.jp/NANANA-%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%AC%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%BA%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%B9/dp/B0C7K2JHJP/ref=sr_1_7?crid=2ZPFNQUPIQW51&keywords=red%20red&qid=1686715828&s=music&sprefix=%2Cpopular%2C562&sr=1-7&fbclid=IwAR1Crnm6LH--a9VlHU69S-8BO_Zl3HZU5mtzjO4pz5xBtiWDbwuKcjaqbqQ

          ■7月 22日 (土曜日)
          新宿 レッドクロス
          マーガレットズロースニューアルバム“NANANA”レコ発「ナナナンパーティー!」
          出演:マーガレットズロース、片平里菜
          O.A:えーるず
          時間:オープン18:00/スタート18:30
          料金:前売3,500 当日4,000円
          イープラス https://eplus.jp/sf/detail/3878330001-P0030001


          もう一度僕たちは思い出す マーガレットズロース『NANANA』誕生秘話 その3

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            1996年、早稲田大学の音楽サークルMMT(モダン・ミュージック・トゥループ)でマーガレットズロースは生まれました。
            結成当初は、岡野と粕谷の他にベースのエバと鍵盤のゆきこがいて、5人組。

            当時、ライブハウスに出演するには、まずテープ審査、それから日曜の昼にオーディションライブをやって、合格したら夜ライブできるという仕組み。
            サークルを1年でやめたぼくたちは、2年生の頃からあちこちでオーディションライブを受けて、新宿ジャムに出させてもらうようになりました。
            三拍子の、古めかしい妙な歌ばかりで、演奏もへたくそでしたが、ジャムにはたくさんお世話になって、弁士が口上を述べてバンドを呼び込む、駄菓子と詩集と付きの自主企画をやったり、思い出がたくさんあります。

            まだ東新宿駅がなかったその頃、新宿駅の東口から四季の道を抜けてジャムに至る15分ほどの道のりを、何回往復したかわかりません。ジャムには練習スタジオもあって、地下のスタジオに入るとちょこっとライブが見れたりして、デキシード・ザ・エモンズに出会ったのもジャムだったなぁ。

            その当時からずっとお世話になっているのが、実は今回のアルバムのエグゼクティブ・プロデューサー、ももちゃんこと鈴木拓郎、その人なのです。
            最初はジャムのブッキングマネージャーとして出会ったももちゃん。2003年にジャムのすぐ向かいに新しくライブハウス、レッドクロスを立ち上げて今年で早20周年。
            いまやスプートニクラボの社長である彼を「ももちゃん」と呼ぶ人も少なくなりました。
            レッドクロスの経営や、ドレスコーズなどのアーティストマネージメント、レーベル業務などを生業としているももちゃん。
            その昔は「はとロックツアー」と題して、ズロースとチョコレートパフェのスプリットツアーを一緒に回ったり、ももちゃんが監督の草野球チーム「ザ・新宿」に参加したり、長い付き合いだけど、一緒にアルバムを作るのは今回がはじめて。
            また3人に戻ったマーガレットズロースのアルバムは、昔3人だった頃からぼくらをよく知っている人と作りたかったから、ももちゃん以外には考えられませんでした。

            確か2021年の8月、レッドクロスの周年ライブにマーガレットズロースが出たとき、ぼくらのアルバム作ってくれますか?と訊ねたら、あんまりよく考えた風でもなく早口に「やるよ」と言ってくれたような気がします。その時は二人の間だけの話だったけど、それからマーガレットズロースのライブにいつも来てくれて、アルバムのイメージをだんだんと膨らませていきました。
            2022年2月、秋葉原クラブグッドマン。熱海くん脱退後最初のライブで、新曲「ずっとこうしてるだけで」を披露。「NANANA」 ではラストを飾る曲として収録されていますが、今回はアルバム収録曲の選考にかなり時間をかけました。

            というのも、いままではメンバー以外の人が収録曲について判断することが一度もなかったのです。The Old&Modernsや平井正也BANDでやったレパートリーも候補に選曲していきましたが「これは違う」「ズロースっぽくない」と一蹴されるのが、変な話、うれしかったです。
            できた順に全部入れるだけだったマーガレットズロースアルバム作りに起きたひとつの革命でした。

            当初のももちゃんの考えは、新曲と、まだ楽曲登録されていない過去曲の選りすぐりと半々というものでした。ぼくはできれば再録はしたくなくて、まだ作ってもいない新曲を中心にやりたいとわがままを。そもそも新曲を作らないと解散するような気がして動き出したプロジェクトだったので。。
            結局はぼくの意見を通させてもらう形になったけど、ももちゃんのおかげでアルバムを象徴する曲も生まれました。
            たとえばアルバムの一曲目「バンドパワー 」。
            それは「『どん底』に代わる、いまのズロースを象徴する曲が欲しい」というももちゃんのリクエストがなければできなかった曲です。
            その他にも「つばき」「歌にしようと思った」など、過去曲を再録をしないでいいように作った新曲が収録されることになりました。
            「トカトカ」というダブっぽい新曲もありましたが、2日間というタイトなレコーディングスケジュールでは、11曲が限界だろうとももちゃん。(実際、2日目の朝までかかってギリギリ11曲歌い終えたので、賢明な判断でした)

            こうして収録曲も決まって、迎えたレコーディング当日でしたが
            肝心のバンドの方は準備万端というわけではありませんでした。。(つづく)

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            マーガレットズロース 10thアルバム「NANANA」
            収録曲
            1.バンドパワー
            2.瞬キッズ
            3.往復書簡
            4.つづきはぼくらが
            5.つばき
            6.働く人
            7.コントローラー
            8.呑気だね
            9.歌にしようと思った
            10.午前中ずっと寝てたから
            11.ずっとこうしてるだけで(猫と日常)
            レーベル:redrec / sputniklab inc.
            定価¥3,300(税抜き価格¥3,000)
            品番:RCSP-0137

            タワーレコード予約
            https://tower.jp/item/5751109/NANANA
            Amzon
            https://www.amazon.co.jp/NANANA-%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%AC%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%BA%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%B9/dp/B0C7K2JHJP/ref=sr_1_7?crid=2ZPFNQUPIQW51&keywords=red%20red&qid=1686715828&s=music&sprefix=%2Cpopular%2C562&sr=1-7&fbclid=IwAR1Crnm6LH--a9VlHU69S-8BO_Zl3HZU5mtzjO4pz5xBtiWDbwuKcjaqbqQ

            ■7月 22日 (土曜日)
            新宿 レッドクロス
            マーガレットズロースニューアルバム“NANANA”レコ発「ナナナンパーティー!」
            出演:マーガレットズロース、片平里菜
            O.A:えーるず
            時間:オープン18:00/スタート18:30
            料金:前売3,500 当日4,000円
            イープラス https://eplus.jp/sf/detail/3878330001-P0030001

            もう一度僕たちは思い出す マーガレットズロース『NANANA』誕生秘話 その2

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              「NANANA」が誕生する過程で、もうひとつ、大きな別れがありました。
              ギター、熱海裕司の脱退。
              このことは、いままではっきりとお伝えしていませんでした。
              言わないでおけば、戻って来やすいんじゃないかと思っていたのですが
              この機会に熱海くんのことを書いておこうと思います。

              熱海くんがマーガレットズロースに正式に加入した時期は、実ははっきりしません。
              はじめてライブに参加したのは2010年4月、tobaccojuiceをゲストに新代田FEVERで開催された「世界は変わる vol.8」。
              その頃、ギターを弾かずにうたいたいと思っていたぼくは、かっこよく「ジャカジャーン」を鳴らすギタリストを探していて、出会ったのが熱海くんでした。
              結局は熱海くんのギターに触発されて、ツインギターのバンドになったわけですが。
              その後、熱海くんはアルバム「darling」のレコーディングにも参加。
              はじめのうちスタジオ代を出していなかった熱海くんに、ある日粕谷が「熱海くんも払って」と伝えた頃から、いつの間にかバンドのメンバーになっていたという、あまりロマンチックじゃないエピソードが…。笑

              だけどロマンチックな思い出もたくさんあります。
              2012年に長野のりんご音楽祭に出た時、熱海くんと一緒に踊ってばかりの国のライブを見た後、感想を言い合って「ぼくたち、いつかヒロト、マーシーと対バンするまでバンドやろうね」って語り合ったこと。
              熱海くんが職場の同僚に、バンドでストレス発散できていいですね、なんて言われたとき「ぼくにとってバンドはストレス発散じゃなくて、夢なんです」って言い返した話とか。

              熱海くんがバンドにいてくれたおかげで、マーガレットズロースは遠距離になっても解散しないでいられたんだと思っています。
              グループLINEの返信も、熱海くんが一番早かったしね。

              コロナになって、仕事の都合でライブに参加できなくなり、
              ライブのオファーのたびに辛い思いをしていた熱海くん。
              バンドに戻れる見通しもなく、宙ぶらりんな気持ちにケリをつけようと
              脱退を申し出たのが2021年10月でした。
              メンバー4人でLINE通話して、いつでも戻って来ていいよと言い添えて、
              熱海くんの気持ちを受け入れました。

              熱海くんを失った、その時の喪失感はなにか懐かしい感じがしました。
              2001年、マーガレットズロースがファーストアルバムを出した直後、鍵盤奏者の金井裕が脱退。
              あのとき空いた大きな穴からまれたのが2ndアルバム「こんぺいとう」でした。
              ぼくにとって「こんぺいとう」はとても大事な作品です。
              どうやっても再現できない、なにか足りないその時の3人でしか出せない瞬間の輝きみたいなものが詰まっているのです。
              ちょうど「こんぺいとう」リリースから20年の節目で、また3人に戻ってしまったぼくたち。
              それなら次に作るアルバムは、「こんぺいとう」の延長線上にある作品にしようと閃いたのでした。

              2022年6月、新宿レッドクロスで「二十歳のこんぺいとう」という再演ライブを開催。前半は「こんぺいとう」の曲順通りに、後半はニューアルバムに収録したい曲を中心に演奏しました。

              そこから本格的に「NANANA」へと動き出していきます。(つづく)

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              マーガレットズロース 10thアルバム「NANANA」
              収録曲

              1.バンドパワー
              2.瞬キッズ
              3.往復書簡
              4.つづきはぼくらが
              5.つばき
              6.働く人
              7.コントローラー
              8.呑気だね
              9.歌にしようと思った
              10.午前中ずっと寝てたから
              11.ずっとこうしてるだけで(猫と日常)

              レーベル:redrec / sputniklab inc.
              定価¥3,300(税抜き価格¥3,000)
              品番:RCSP-0137

              ■7月 22日 (土曜日)
              新宿 レッドクロス
              マーガレットズロースニューアルバム“NANANA”レコ発「ナナナンパーティー!」
              出演:マーガレットズロース、片平里菜
              O.A:えーるず
              時間:オープン18:00/スタート18:30
              料金:前売3,500 当日4,000円
              イープラス https://eplus.jp/sf/detail/3878330001-P0030001

              もう一度僕たちは思い出す マーガレットズロース『NANANA』誕生秘話 その1

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                マーガレットズロース、7年ぶりのアルバム「NANANA」がついに、2023年8月2日。発売になります。
                早速タワーレコードやAmazonなどで先行予約もスタート。
                一番早く手に入るのは7月22日、新宿レッドクロスの先行レコ発ライブです。
                ぜひぜひ遊びに来てください彡

                今回はこのアルバムに込めた思いなんかをつらつらと、の第1回です。
                どうぞ気長にお付き合いください◎

                さて、2016年の前作「まったく最高の日だった」から7年も経ってしまったけど、その間なにもしていなかったわけではありません。平井正也BAND、The Old&Moderns、ヒライマサヤと片山尚志など、毎年何かしらリリースをしていたんですが、マーガレットズロースのための曲というのがなかなか書けませんでした。
                ぼくが九州に移住してから、ずっと遠距離で活動してきた上に、コロナで長い間会えなかった時期もあって、その間できる曲っていうのはやっぱりそのとき近くにいる人と一緒に演奏してしまうわけです。

                2021年3月、1年半ぶりにメンバーと会ってライブした時、めちゃくちゃたのしかったんだけど、なにかいままでに感じたことがない危機感がありました。まるでもう貯金が尽きたような。。新曲を作って、アルバムを出さないとこのバンドは終わる。そんな予感がしたのです。「バンドにとって新曲こそ血液」だと思うわけです!
                それまでぼんやりとソロアルバムを出そうと考えていたのを予定変更、マーガレットズロースのニューアルバムを最優先に動くことにしました。

                その年の8月、The Old&Modernsの「夏のしっぽ」ツアー前日、ツアーが終わったらマーガレットズロースのレコーディングに入るからしばらくお休みしよう、とモリちゃんに話しました。結局それがひとつのきっかけになってモダンズは解散をすることになり、ラストアルバムの制作とリリースのためしばらく時間をかけなければいけなくなったわけですが、モダンズという宝物と引き換えに、ついにマーガレットズロースのニューアルバムが完成したわけなんです。本当に険しく長い道のりでした。(つづく)

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                マーガレットズロース 10thアルバム「NANANA」

                収録曲
                1.バンドパワー
                2.瞬キッズ
                3.往復書簡
                4.つづきはぼくらが
                5.つばき
                6.働く人
                7.コントローラー
                8.呑気だね
                9.歌にしようと思った
                10.午前中ずっと寝てたから
                11.ずっとこうしてるだけで(猫と日常)

                レーベル:redrec / sputniklab inc.
                定価¥3,300(税抜き価格¥3,000)
                品番:RCSP-0137

                タワーレコード予約

                https://tower.jp/item/5751109/NANANA

                 

                ■7月 22日 (土曜日)

                新宿 レッドクロス

                マーガレットズロースニューアルバム“NANANA”レコ発「ナナナンパーティー!」

                出演:マーガレットズロース、片平里菜

                O.A:えーるず

                時間:オープン18:00/スタート18:30

                料金:前売3,500 当日4,000円

                イープラス https://eplus.jp/sf/detail/3878330001-P0030001


                まったく最高の日だったツアーファイナル

                0
                  「まったく最高の日だった」ツアーファイナル、福岡MUSK。日本のいろんなところから集まってくれて、最高の日を一緒に体験してくれて本当にありがとう!

                  オープニングアクトのChikuwa Club
                  大学生の彼ら、マーガレットズロースが結成した1996年、彼らはまだ2歳…!
                  でも2016年の彼らがもしも1996年にタイムスリップして結成当時のマーガレットズロースと対バンしたとしても、未来から来たバンドだとは思わないような、そんな音。ただ当時のマーガレットズロースより圧倒的にうまいけど(笑)。
                  20周年のツアーで若いバンドが観れて、彼らもぼくらの音に共鳴することを感じて、うれしかった。
                  3曲しか聴けなかったけど、全部全然違う曲調。
                  今度はもっとじっくり聴きたい!

                  そしてnontroppo。ついに叶ったボギーとのバンド対決。初めて聴いたnontroppoはすっごく変で、すっごく気持ちよくて、すっごくかっこよかった。
                  この日のセットリストは絶対盛り上がる曲をあえてやらないという「攻め」の構成。でも最後はやっぱり我慢できない!というふうな熱いライブ。
                  ボギーがいつも1人で大ふざけできるのは、きっと真ん中にこのバンドがあるからなんだなって思った。きっとおれもそうだよ。
                  なんだよボギー!エレキギターめちゃかっこよく弾くんじゃーん!!

                  そしてマーガレットズロース。
                  8月にアルバムをリリースしてから、東京、京都、大阪、名古屋、長野、福岡。
                  10年前なら1ヶ月で回ったところを、ゆっくり踏みしめた。おかげで毎月会えた人たちもいた。本当にどの公演も最高だった。どの日を振り返っても笑顔しか思い出せない。
                  いつもは恥ずかしくてお客さんの顔が見れないんだけど、きのうはもったいなくてあちこち見ながらうたった。あのひともこのひとも来ている。その場にはいない人の顔も見れた気がした。これが魂だけ送っとくというやつか!本当に最高のツアーだったんだなあ。

                  九州に移住して、ひとりでたくさんライブして、いろんな人に出会って、マーガレットズロースというバンドを知ってもらって、バンドで観てみたい!って思ってもらって、こんなに大きく実りました。「福岡にマーガレットズロースを呼ぼう実行委員会」緒方さん、手島さん、ありがとうございました。

                  アルバム「まったく最高の日だった」はバンドの20周年というより、本当はぼくが九州に移住して遠距離になってからのバンドの形でした。
                  そのツアーファイナルが九州できてたこと、そしてこのの5年間の中で一番の出来事「はるかぜ2013」に出てくれたボギーのバンドと共演できたこと、偶然でなく最高のストーリーでした。
                  アンコールでボギーとセッションしたはるかぜは、やっぱりまだ昔の出来事としては片付けられない感動がありました。


                  こうしてツアーはいったんおしまい。
                  2016年はマーガレットズロースの20年の活動の中でロックバンドとして最高に愛された一年でした!
                  アルバム制作に関わったみなさん、ツアー各地でお世話になったみなさん、最高のお客さん。みんなありがとう!
                  みんなにまた会いたいし、今回会えなかった人もいるし、マーガレットズロースきっと帰ってきます!忘れないでね、またここで会えるから。



                  2016.12.3まったく最高の日だった福岡MUSK

                  1.マーガレットズロースのロックンロール
                  2.1996
                  3.ぼくには数えられない
                  4.たのしいロックンロール
                  5.オクターブ上で
                  6.ぼーっとして夕暮れ
                  7.うその地球儀
                  8.べいびー
                  9.マーガレットズロースの数え唄
                  10.さよなら東京
                  11.斜陽
                  12.魔法をかけてあげる
                  13.どん底

                  アンコール
                  1.はるかぜ(ボギーとセッション)
                  2.石鹸

                  写真:宇宙大使☆スター

                  『まったく最高の日だった』セルフライナー

                  0

                    このアルバムは「マーガレットズロースの20周年を勝手に祝う」という

                    うたい文句で宣伝されているが、本当は重要なのはぼくがメンバーと離れて九州へ移住し、

                    遠距離バンドとなった2011年からの5年間の集大成であること。
                    その5年間で最も大きな出来事としてギター熱海裕司のバンド加入があった。

                    それがあまりに自然であったためあまり意識されることはなかったが、

                    熱海くんが加わった4人のマーガレットズロースで鳴らすロックンロール

                    というのがこのアルバムの柱だ。

                     

                    この5年、ライブの本数は極端に減ったが、

                    ライブ以外でメンバーが集まることはほとんどなかった。

                    つまりほとんどスタジオで練習しなかった。
                    それでもマーガレットズロースはライブの度にその生命力を増していくようだった。
                    それまでマーガレットズロースにとってスタジオはある意味鍛錬であったり、

                    自分では思いつかないことを模索する場所だったが、

                    この5年間はできないことはやめるしかなかった。

                    思いついたことをできるようにやるだけだった。

                    それは20年のバンド活動でもっとも幸福な時代だったのかもしれない。
                    たのしいことだけの5年間をかたちにする。

                    それがこのアルバムのもう1本の柱といえるが、2本の柱はお互いに同じことを意味していた。

                     

                    今回レコーディング前日にはじめてバンドでアレンジするというような過酷な状況もあったが、

                    それでもあきらめずに完成することができたのは、

                    いつもマーガレットズロースに命を注ぎ続けてくれた人たちがいたこと。

                    これは本当におおげさでなく、「平井くんは音楽をしなきゃいけない」

                    「マーガレットズロースの新しいアルバムをずっと待ってる」

                    そんなメッセージをずっとかけ続けてくれた人たちのイメージがかたちになったんだと感じる。

                     

                    スタジオでああだこうだとアレンジやサウンドに悩むのは

                    一番最初に曲をイメージした時の「あの感じ」をどうすれば表現できるのか、

                    具体的な手段を見つけるのに時間がかかるからだと思うけど、

                    はじめからメンバーと「あの感じ」が共有できていたら必要以上の時間はいらないのだと思う。

                    なにも考えずに出した音が「あの感じ」になる。だれも意識はしていなかったと思うけど、

                    そんなふうにレコーディングは進んでいった。


                    そんなわけなので「これはこういう意味の曲なんです」って語ることはよそうと思う。

                    「あの感じを」ひとりひとりに自由にプレゼントしたい。

                    そのきっかけになるような一言や経緯だけ、1曲ずつ紹介できたらと。

                     

                    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

                    マーガレットズロース『まったく最高の日だった』

                     

                    01.EAGLE
                    熊本県の南関町に住んでいた頃の曲。
                    平井正也のソロ音源『ONDO』に収録された時は「高橋くん」というタイトルだった。

                    京都の木屋町でバーをやっている高橋の店で初めてうたったのでそんな名前になってしまったが、

                    メンバーからは不評でとりあえず「TAKAHASHI」と改題された。

                    一曲目になるにあたってさらに高橋の店の名前に変更。

                    「高橋くん」になじみのあるリスナーには申し訳ない気持ちだが全部許してほしい。
                    そういえばレコーディングでも1曲目に演奏した。
                    エンディング、2本のギターの絡みに気分がすーっとなる。

                     

                    02.ぼくには数えられない
                    EAGLEとほぼ同じ時期に出来た曲。

                    当時は「なにも考えられない」とか「ぼくたちに明日はない」とか

                    「○○ない」という曲が立て続けに出てきた。

                    決してネガディブな気持ちでないが否定しなければ強く肯定できない時期だった。
                    「ONDO」収録時のアレンジから大きく変っているが、熱海くんの持ってきたリフからの影響。

                    とにかく「ジャガジャーン!」を聴いて欲しい。

                     

                    03.1996
                    那須のB&B Garden House SARAで高橋柚一郎くんとライブをした翌日、

                    黒磯で過ごした一日の出来事。

                    SHOZOさんのコーヒーもチーズケーキも本当に美味しい。

                    ほとんど日記の様な歌だが「1996 タイムスリップして 2015年のきみと友達になった」

                    の一ヶ所がこの曲を成り立たせている、とは熱海くんの評。
                    岡野のベースラインとリズムが真似できない境地に。
                    はじめアルバムタイトルとして「1996」も考えていたが、

                    粕谷に「わかりにくい、誤解を与える」とされ却下。

                     

                    04.魔法をかけてあげる
                    もしもマーガレットズロースが月に何本もライブをやっていたら、

                    全然違う曲になっていたかもしれない。

                    でもライブでたくさんやらなかったおかげもあって曲として素直に仕上がった気もする。

                    リード曲の定まらないアルバムの中でひとつの完成度の高さを示す楽曲。

                    熱海くんのギターとアコギでユニゾンしたソロとBメロのトライアングルが自分で気に入っている。
                    「魔法をかけてあげる」もアルバムタイトルとして有力だったが

                    岡野に「40のおっさんが魔法をかけてあげるは正直気持ち悪い」とされ却下。

                     

                    05.たのしいロックンロール
                    ほとんど音量を上げる目的にしか使っていなかったディストーションのツマミをがつんとひねり、

                    あまりのたのしさに「これはハードロックだ!」と勝手に解釈。

                    正直ギターソロのハモりはダサいと思うけどかっこいいと思う。

                    自分的NGがどうでもよくなることがバンドを長く続ける醍醐味であり、原動力なんだなきっと。

                    曲後半の「オイ!オイ!」のコーラスパート録音はサイコーだった。

                    岡野のベースがまだ決まっていない感じが実は好き。

                     

                    06.奇跡が起きなくて
                    前作『darling』以降に、平井正也のソロ音源で発表された曲の中から

                    ベスト的な選曲で構成される本作だが、これは今回初収録。

                    岡野から「中心になる曲がない」と評価され、

                    「そうかな〜けっこういい曲そろってると思うんだけどな〜」といいつつ書き下ろした。
                    アレンジ・サウンド面でまだ未完成と思える部分があり今回収録は見送られる案もあったが、

                    12曲に強いこだわりがあり、無事収録。

                    それにしても「星の王子様」って本当にすごい話。

                     

                    07.はるかぜ
                    マーガレットズロースで演奏したのは熊本県南関町で開催した野外音楽イベント

                    「NANKAN ROCK FESTIVAL はるかぜ 2013」以来。とても感慨深い。

                    移住後の5年間という意味ではどうしても外せない曲。

                    うっかりスカ風のアレンジになるところでしたがなんとか正気を取り戻し無事。

                     

                    08.さよなら東京
                    寝ても覚めても曲を作ることが頭から離れなかった20代前半の頃の気持ちに戻って集中。

                    これを仕上げないことには先に進めないという思い。

                    メンバーからいまひとつ評価が定まらなかったが、そういう部分は曲として大事。

                    「これは絶対いい」とわかるのは実はもう止まってしまっている。

                    粘って出来たギターリフですこし堂々とした。

                     

                    09.斜陽
                    マーガレットズロースの20年の中でおそらく最もたくさんライブで演奏された代表曲。

                    再録のアイデアは岡野から。はじめ疑問もあったけど、

                    熱海くんが入ってからの斜陽を残したい気持ちと、

                    「録ってみたらよかった」という単純な理由により収録。

                    「他の楽曲と並べたら浮いてしまうんじゃないか」という不安をよそに、

                    初録音から13年経ってもまだ新曲のような顔をしている斜陽だった。

                     

                    10.五七五
                    ジョナサン・リッチマンへのリスペクトが伝わるかどうかはわからないが、

                    有名な「ロードランナー」のイントロの影響がないとはいえない。

                    ライブではお客さんに「しち!しち!」と叫んでもらいたい。

                    どうやって歌詞カードで表現するか悩んだ。

                    あとどうやって2番の歌詞を思いついたのか思い出せない。

                    低い声でうたっているのは粕谷です。

                     

                    11.なにも考えられない
                    メンバーと離れて暮らしながらバンドを続けることで行きついた曲。

                    たくさんのミュージシャンから寄せられた感想でも特に触れられることが多かった。

                    同じ部屋で同じ機材で録音してもどうして曲によってなり方が違うのか。

                    なにも考えられずに「あの感じ」が出まくったのか。

                     

                    12.うその地球儀
                    この曲を中心にしたアルバムをイメージして来たが、

                    もはやリード曲自体、なんのことやらよくわからない。リード曲ってなに?
                    いままでずっといろんな歌で「忘れること」をうたっていたのが、

                    この歌ではじめて「忘れないでね」とうたったのはどういうことか?

                    人間がきっと生まれ変わると信じたから?
                    粕谷のドラムのセンスが光る一曲。

                    一人で何度もうたったり、いろいろな人とセッションしたりしたけど、

                    こんなことができるのはマーガレットズロースのメンバーとだけ。

                     

                    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
                    けっきょく余計なことばかり書いてしまった。余計でないことは書けない部分なんだな。
                    「まったく最高の日だった」
                    どうぞ聴いてください。
                    ありがとう!

                     

                    photo 宇宙大使☆スター

                    club SONIC iwakiでのジャケット撮影時の一コマ。

                    まったく最高のコメントです

                    0

                      2016年8月17日。

                      マーガレットズロースの6年ぶり、8作目のオリジナルフルアルバム

                      『まったく最高の日だった』の発売日。
                      ここにアルバムに寄せられたコメントの数々をご紹介します!
                      みなさん本当にありがとうございます。
                      末永く愛される作品になりますように!

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                      出逢いも別れも常に隣にあるコトを
                      ロックンロールがカッコ悪いコトを
                      よく知っている人たちがつくる音楽は
                      心の真ん中に刺さります。
                      15年前に初めて新宿で観てから
                      ずーっと彼らは、彼らの音楽は、
                      切なく優しく涙を誘います。
                      夕焼けが滲んでくる午後のにおいがする
                      この音楽を胸に抱いて
                      また僕は彼らに会いに行くのです。

                       

                      有馬和樹 おとぎ話

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                      (実際に声を出して読んでみてください)
                      マーガレットズロースイズ最っっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっ高!ほんとに。
                      それから「何も考えられない」って曲がほんまに最っっっっっっっっっっっっっっっっ(割愛)(もちろん声に出して読んでください)
                      声に出すこと大事です
                      ファンとして、戦友として、友達として!これからもよろしくお願いします。愛してるにょ〜

                       

                      アントニオポグチコグチ 星の王子さまたち

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                      マーガレットズロース
                      「まったく最高の日だった」を聴いて

                      このアルバムを俺は10回以上再生している。
                      ここ一週間こればかり聴いている。
                      これは初期衝動アルバムときいていたのだが俺が感じた率直な感想は「中期衝動」だ。
                      初期衝動の音はメンバー個と個のぶつかり合い。全員何も考えず一つのもんに向かう。結果としてそれが化学反応を起こし勢いの塊となり一つのバンドサウンドになる。
                      このアルバムはそれとは違う。
                      バンドを長く続けると音楽以外でメンバーそれぞれの個が強くなる。頑固ってやつだ。歳をとるってのは人間もバンドも同じ。誰も一歩も引かない。そんなメンバー(平井君以外お会いした事もないのに勝手に想像してスンマセン)たちが集まって出来た作品。違う環境、違う思想の、決して若くない野郎共(スンマセン)がマーガレットズロースっちゅう音楽の中で曲を奏でている。
                      それぞれがそれぞれを見ながら聴きながらアレンジ、演奏されている。
                      結果、初期衝動的な「他はどう思うか知らんが自分はこう弾くジャガジャーン!!!!」的トゲやアクは感じない。
                      だが中期衝動的なこのアルバム、
                      「ブワーと叫びたいが叫ばず歌うよ」
                      「無茶苦茶にしたいけどそっとやるよ」
                      を凄く感じる。
                      もう一つ例えるなら
                      「若かりし頃に皆でタムロした思い入れのある場所に久しぶりに来たらまだあったよ!懐かしいな!随分年月がたち俺たち歳をとったけど、ここに来るとあの頃に戻れるな!よし楽器もってこい!曲つくろう!お、なんかスゲーな。」
                      的なノスタルジックも感じる。
                      色々書いたが、このアルバムは1回聴いただけじゃ良さはわからんぞ。
                      二回、三回、四回と聴けば聴くほど上で書いた「中期衝動」がリアルになる。
                      すなわちロックンロールアルバムだ!

                      書いていて俺もテンションが上がってきた。
                      文章が収まりつかなくなってきたので最後に俺が好きな曲を二曲紹介して終わる。

                      泣きたいけど泣かずに静かに優しく歌い上げた
                      「さよなら東京」

                      演奏終了と同時にギターへし折ってドラムセットを破壊するキモチだが、やらないよって感じの
                      「なにも考えられない」

                      この二曲は30回以上再生している。

                       

                      今村竜也 IMAMURA TATSUYA FOLK EXPLOSION
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                      マーガレットズロースと出会ったのは1997年、早稲田の学生会館地下にあったスタジオ「イナフジ」。
                      アルバムを聴いてその時の空気感が鮮明に蘇ってきました。
                      中に詰まった言葉、声、バンドサウンド、全てのパーツがその時から大切に磨き続けられてきたものばかりです。
                      この最高の瑞々しさは怖いくらい。
                      ウチノが浪人しなければ「1996」の日々も共有できたのに、悔しいな。
                      20周年おめでとうございます。

                       

                      ウチノファンタジー マキタ学級
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                      8枚目のアルバムおめでとうございます!!
                      平井正也さんと出会ったのは2011年のわたしの地元福島で。確か当時18だったわたしは、正也さんが歌う"どん底"聴いて琴線に触れたのか気付いたらボロ泣きしていました、、あれ以来 ロックンロールってなんなんだろう?と年に一回は正也さんの住む九州へ行き歌いに行くようになり、いつもお世話になっています!
                      そして今回の作品は、ロックバンドがしたい、とにかくロックバンドがしたい、、!!!
                      という熱量が 新進気鋭のバンドのファーストアルバムのような、初期衝動を駆り立てるような、大人のためのロックアルバムでした、、!
                      わたしとライブするときはいつも弾き語りでしたが 早くバンドで観たい、、
                       今マカズロのライブを観たら"全く最高の日だった!"って きっとそう思います。

                       

                      片平里菜
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                      平井さんおつかれさまですー
                      アルバム、毎日毎日聴いています!
                      まったく最高です。こんな、バンド始めたばっかで音楽が楽しくて楽しくてしょうがない、みたいな新鮮で楽しすぎるアルバムを作れるおっさん達、憧れます。
                      マーガレットズロースと出会ったのはオレがほんと音楽が楽しくて楽しくてしょうがないときで(今も楽しいですが)、そのせいかわかりませんがいまだに斜陽のイントロで涙出ちゃいました。
                      マーガレットズロースの魔法はとけないですね。
                      また遊びましょう!みんなで青森来てください!ホターテー!!

                       

                      熊谷暁人 うきぐも
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                      平井さん、アルバム聴かせてもらいました。
                      流石でした!
                      なんか、自分は忘れてた事を思い出した気がしました。(かなり長くなりそうなんで、省きますが。。)

                      練習に向かう途中で聴いてたんですけど、アルバムのせいで今日の練習はたぶんギターデカかったと思います。。
                      吉祥寺から御茶ノ水まで原付で行ってたんですけど、ちょうど花園神社を通るときに「さよなら東京」でした。

                      平井さんのライブもそうなんですけど、自分もやりたくなりますね。
                      snapでも久しぶりにアルバム作りたくなりました。

                      自分が忘れてた事を思い出した。ってのは、このアルバムを聴いて、マーガレットズロースは若いバンドと対バンして、若いお客さんをギャフンと言わせて欲しいなって思ったんすよね。そしたら、そのギャフンと言ったコ達は、バンドを始めるんじゃないかと思ったから。
                      グルーヴァーズの藤井さんの言葉を借りるなら「ネットもスマホも無い時代に世の中で一番イカしていることだった「仲間とバンドをやること」は、今も一番イカしています。」ってのを証明してたと思えたから。
                      そこまで思って、これはもしかして自分に思ってるんじゃないか?とも思えたんすよね。
                      だから、若い世代のミュージシャンに聴いてもらうのは嬉しいっす。

                      てか、コメントあんなんで大丈夫だったんすかね。。

                       

                      佐古勇気
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                      上京してすぐ出会えてよかったです。
                      当時長野の田舎から出てきたばかりの僕は
                      マーガレットズロースがいわゆる東京のバンド
                      だと思ったのですが大きな勘違いでした。
                      そしてその勘違いは何故か解消されずにアナログフィッシュを
                      オリジナルな物にする手助けをしてくれました。

                      平井君は歌にフェイクを入れたりシャウトするように、
                      ギターをチョーキングしたりかき鳴らすように、
                      誠実さをチョーキングしたり歌わせることのできる(あと美味しいパスタも作れる)
                      不思議な才能を持った人です。
                      岡野くんも粕谷くんもプレイスタイル変わってるし。
                      話したい思いでもたくさんあるけど長くなるからまた今度。

                      再録音されている斜陽は僕が考える数少ない名曲のうちの一つです。
                      マーガレットズロース20周年おめでとうございます。

                       

                      下岡晃 Analogfish
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                      「曲げなかった」
                      「負けなかった」
                      「諦めなかった」

                      ただの、カッコいい、
                      日本のロックンロールバンドがここにいます

                      ロックンロールを愛する
                      たったひとりのあなたに (ぼくに)
                      できるだけ大きい音で

                      ゴー!マーガレットズロース!ゴー!

                      20周年。
                      そして、ニューアルバム完成
                      おめでとうございます!

                      愛してます

                       

                      高橋元希 フジロッ久(仮)

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                      おもえば僕はいつもマーガレットズロース平井さんのライブを見るとき、なにか悩みや寂しさを偶然かかえてライブ会場に足を運んでいるような気がする

                      一番最初に対バンした東日本大震災から一週間もたってないあの日もそうだった

                      でも平井さんは自粛することなんて全くなく
                      「ロックンロールによろしく」と叫んでいた
                      一人でドラムも叩き
                      ドン底!ドン底!
                      と叫んでいた

                      最高だ

                      いつも僕の心が弱くなっていればなっているほど力強く奮い立たせる
                      何度も何度でも
                      「ロックンロールは無敵なんだぜ!」ってうったえかけてくる

                      このアルバムの中にもそんなパワーがたくさん詰まってるんだよ

                      さあマーガレットズロースの魔法にかかってみないか?!

                       

                      トッシー RUNRUNRUNS 

                      --------------------------------------------------------

                       


                      不思議だよ  
                      このアルバムを聞いていると

                      忘れていたわけじゃないけれど
                      まだ包丁も歌もない
                      17才のオレや

                      もう生きてるかもわかんねー 
                      70才のオレに

                      マーガレットズロースの歌の中で出会えた

                      いつか死んじゃうけれど

                      もう天国も地獄もないよね
                      忘れないでね 

                      またこのアルバムのなかで会いましょう

                       

                      ねじ梅タッシ ねじ梅タッシと思い出ナンセンス
                      ------------------------------------------------------------

                       


                      前置きが長くなる悪癖に加え、最高のアルバムだったので全曲についてだらだらと思いを記してしまいそうなので、敢えて「なにも考えられない」という一曲についてのみ書いてみる。
                      曲中に「ロックバンドがしたい なにも考えられない」という一節が繰り返し出てくる。この言葉だけを見てビビっと来てしまう方はかなりの感受性の持ち主だと思うが、このビートとメロディに乗せて歌われた言葉を聴けば、きっと何故僕がこの一節に言及したのかわかると思う。もしこの言葉を10代の若者が歌にしたのなら、カラっとしているのか蒸し暑い感じなのかわからないけれど、多分言葉の通りにしか受け取れないだろう。しかし、今このタイミングで20周年を迎えて平井さんによって歌われるこの言葉からは、沢山の喜びや悲しみや傷付き傷付けたことなどを経て、それでもなお「ロックバンドがしたい なにも考えられない」という境地に改めて至ったのだなと勝手に想像して勝手に胸が熱くなる。このメロディにこの言葉だから意味があると思う。
                      本当はもしかしたらそんなに深いこと考えずにポッと出た言葉とメロディかもしれないし、僕には更に想像もできない絶望からできた曲なのかもしれないけれど、このシンプルな言葉とメロディからここまで聴き手に想像の余地を与えられるのは(そしてこの想像が仮に的外れだったとして、「馬鹿だなあ」と彼らがこっそりほくそ笑むかもしれないのは)最高にロックがロールしている証だと思う。

                      マーガレットズロースに出会えて良かったです。続けてくれてありがとうございます。またいつか一緒にやれる日を楽しみにしています。二十周年おめでとうございます。

                       

                      橋本薫 Helsinki lambda Club
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                      一緒にツアーで各所をまわって感じた、平井正也の誠実さや
                      人となりをそのまま感じる。

                      たとえ怒りでさえ、その矛先に柔らかいクッションを何重も巻きつけてある。

                      どう切り取っても優しさが滲み出るロックンロール。

                       

                      原田茶飯事
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                      私と平井君は同い年。数年前まで徒歩圏内に住んでました。
                      同じように20年近く同じバンドを続けています。
                      心の奥から湧き出る魂を表現する仲間です。ソウルミュージックフレンド(SMF)です。
                      SMF的にも今回の作品もいつも通り魂をブルブル震わせてるのがビシビシ伝わります。
                      それに加えてメンバーと一緒に演奏する喜びに溢れています。それがまた素晴らしい。
                      粕谷君のドラムも岡野君のベースも熱海君のギターも一つの塊になってる。
                      平井君の声が近年どんどん力強くなって、リラックスした歌声も絞り出すようなハイトーンボイスも
                      しっかりと地面と繋がっていて、エネルギーに溢れてます。
                      このアルバムを聴いた人誰もがワクワクして心が軽くなって生きている事が楽しくなるんじゃないかと思います。素晴らしいアルバムをありがとう!

                       

                      藤井友信 MUSIC FROM THE MARS, fresh!, OishiiOishii
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                      アルバム完成おめでとう。憂いや心のひだまでロックンロールになってそしてまだまだ旅をつづける覚悟が聴こえてきます。20年目に生まれた音も楽しくて新鮮てすごいことだ。もうほとんど歌えます。

                       

                      渕上純子 ふちがみとふなと
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                      壊す事と壊さない事は全く違う事だけど、似てる部分もあるんだよね。
                      平井さんと俺はちょっぴり似てる。
                      そんな感じでまた会おうね。

                       

                      古宮大志 僕のレテパシーズ
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                      「あなたのようにロックンロールという言葉を信じられるのはうらやましい。いや、信じたいことをロックンロールとよびかえたのか」

                      何もない日の午後、誰に宛てるでもなく手紙を書いていた。ぼくの毎日は実はそんなあたりまえで永遠によく似た退屈でさみしい、そんな日と日の連なりだ。そのつなぎ目をなんと呼ぼうか?このアルバムをきいたらちゃんとわかるかも。そうだな-、えっと。嘘でもいいから、笑っていたいです。

                       

                      マヒトゥ・ザ・ピーポー GEZAN 



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